くり(隊長作)

11月21日(日)  18:30   - 59 -   訪問者数

    川合良一指揮  東京理科大学管弦楽団  すみだトリフォニーホール
    
    ブルッフ   スコットランド幻想曲
    エルガー   交響曲第1番

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  トリフォニーホール前の飾り
今年は1年で2回もエルガー第1番が
聴けれた稀有な年でした。

1回目はテイト指揮&読響の圧倒的な名演でして、
このまま今年が無事終われば
私の04年ベスト3には入りそうです。
  
  テイト指揮読響の「エルガー交響曲第1番」感想ページ
  
  果たして大学オケに、あのエルガー第1番の高貴なかほりが表現できるのか?
  なぁんて考えたりもしますが、当然喜び勇んで駆けつけました。
  表現出来ようが出来まいが、学生の分際で挑戦するとは何たる武者振り。   にゃ(隊長作)

天晴れなるぞ。
  今日の文章は特別ヘンテコですが、もう堪らなく応援したくなります。
  
  第1・2楽章
  なんとあの高貴な第1楽章冒頭の旋律はヴィオラで始まります。
  渋い旋律といい、渋い音色といい、エルガーはほんとこの楽器の良さを
  解ってくれてます。
  次いで弦全体の斉奏に移るんですが、いやはやこの辺でもう今夜の成功は確信できます。
  相当の練習と深い愛情に裏打ちされた気負いたった始まりです。
  でもそれが、学生ならではの特権でもあり、こういう演奏は何かが起こります。
  
  エルガー大ファンの方からしてみれば、いささか趣(おもむ)きが異なるんだろうけど、
  ベースはゴリゴリ、金管はクゥワーッ、ティンパニはドカンとくる。
  テクニック云々(うんぬん)を述べるのが無粋にさへ思えるような、
  荒削りな、でもたまらなく熱いエルガーです。
  
  岩をも砕けよと叫びの嵐もあれば、静謐な場面での文学的思索に
  何の衒いも無く、集中と燃焼が途切れない。
  この半年、この音楽と真正面から立ち向かった者だけが語ることが出来る
  音楽の本質。
  
  第2楽章の末尾は難しいところなんだが、柔らかな羽毛が
  舞い落ちるような美しさだった。
  vn(隊長作)
ちなみにコンマスのVnソロは旨すぎ。
あんた、どうして芸大に行かなかったの?
  
  第3楽章
  エルガー音楽の金管の鳴らし方は実に難しい。
  弦が歌っている箇所ではロングトーンによる和声進行を、霧靄(きりもや)の
  如きさり気無い深遠さを漂わせる。
  今回の名演は、こういった高度なバックボーンが淡々と流れていたからこそ出来たと思う。
  英国らしさが存分に醸し出されている。
  
  終楽章
  1stと2ndの最後尾2人×2の4人が奏する箇所も良かった。
  大方の管弦楽曲でのソロもしくはソリは、トップもしくはトップ・プルートが
  奏するんだけど、エルガー第1番では、最後列がこれをやるのが大いなる見もの。
  これをじっとりと見ている私も嫌なヤツだが、これがまた良い味を出して
  弾いてるから参ってしまう。
  
  あくまで学生オケであるから、テイト&読響と比べるのは可笑しな事だけれど、
  感動してゆく自分の気持ちには大差は無かった。
  
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