(隊長作)

4月2日(土)  14:00   - 75 -   訪問者数

  橘直貴指揮   東京楽友協会交響楽団   ティアラこうとう
  
  アーノルド        「ピータールー」序曲
  エルガー         エニグマ変奏曲
  ヴォーン・ウィリアムズ  ロンドン交響曲
  
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  今年のアマオケ・コンサートは厳選してるって事もあるんですが、
  どのプログラムも素晴らしいハイ・センスが続いています。
  ネットでこのプログラムを見つけた時は、   (隊長作)

いよいよこの交響曲が出てきたかぁ、と感極まりました。
  
  全曲英国音楽で統一しているのは勿論、アーノルドの過激な序曲あり、
  エルガーの人気曲を挿入していたり(それでいて演奏会では採り上げにくい)、
  締めがロンドン・シンフォニィとは恐れ入ります。
  私がアマオケ演奏会でラルフ・ヴォーン・ウィリアムズ(以下RVW)の
  交響曲を聴くのはこれが2回目。
  1回目は2年ほど前に、三鷹市管弦楽団によるRVWの第5番。
  これはチェロの独奏がネックで演奏され難いんでしょうけど、
  もっともっと採り上げられてしかるべき名曲。
  
  昨年も「ティアラこうとう」には出掛けたんですが、
  ここは私にとって想い出の場所。
  私がアマオケ演奏者として最期となっている会場なんです。
  ここへ来ると当時の事が思い起こされて寂しくなります。
  
  都営新宿線住吉駅から歩いて7〜8分なんですが、行く途中、
  ながながと野球グラウンドがあります。
  どうして野球場とコンサート・ホールの場所がこうなのか?
  いつも不思議に思います。
  
  野球場は元気で健康で運動がしたい人の場所なんだから、駅から多少遠くったって良い。
  しかしコンサート・ホールが多少遠いのは疲れる。
  老若男女、特にクラシックなどはお年寄りの来客が多いんだから、
  駅近くにあった方が良い。
  まぁ、運動不足な私は多少でも歩いた方が体にいいんですけど。
  新宿文化センターも新宿駅から遠いんで、辟易としてます。   (隊長作)

あ、あと、三鷹市芸術文化センター。あれは遠すぎる。
  脱線ばかりですみません。
  冒頭のアーノルドの序曲なんですが、これは面白い音楽です。
  前半はゆったりとした弦楽による序奏が続くんですが、たいして面白くない。
  ナクソスのCDでアーノルドの交響曲を何枚か持っているんですが、
  どんな旋律があったのか覚えていない。
  そんな旋律が続きます。
  
  しかし、中盤からパーカッション、特にスネアドラムがリズムを刻みだす所から   (隊長作)

妖しい雰囲気がプンプン。
  ショスタコの「1905年」一斉射撃シーンとはまた違うのですが、
  騎兵隊が登場しているそうで、音楽もかなり20世紀しだします。
  前半がまったりしていただけに、このギャップが面白いです。
  英国音楽好きな楽団員が探してきた逸品なんでしょうけど、味なコトをします。
  
  エルガーの「エニグマ」は、うちの隊長が大好きでよくCDで
  聴いているんですが、あらためて生で聴くと良い音楽です。
  第9変奏「ニムロッド」は勿論のこと、第12変奏「B.G.N」も良い曲ですね。
  このチェロの高音が決めてな「B.G.N」、
  これを見事に演奏してくれるんですからこのオケの技量も大したもの。
  プログラムが難易度A級ばかりなんですが、どれも味わい深さまで追求した演奏で、
  恐れ入りました。
  
  私はエルガーといえば、「ソスピリ」(ため息)が好きなんで、
  何卒どこかの奇特のオケ様がございましたら採り上げて頂きたいものです。
  
  本日のメインは、RVWのロンドン・シンフォニィなんですが、
  当団のプログラムに面白いトリビア・ネタが載ってましたんでご紹介します。   (隊長作)

「何と、初演当時のオリジナルスコアが郵送途中に紛失してしまったのである。
  翌年には記憶を辿って書き上げられたが(復元版。その際、この曲を書くように勧めた
  バターワースに献呈)その後も4回に亘って手直しされた。
  現在のスコアは最終の第4版である。」
  
  郵送途中に紛失とは凄い話ですが、第一次世界大戦勃発の混乱による影響が
  大きい模様です。
  この曲の原典版に詳しいHPがありますので、ご紹介しておきます。
  
  HP「戴流庵」
  http://www.music.ne.jp/~delian/ZA/RVW/RVW.htm
  
  私はこの曲を、ヒコックスの原典版で楽しんでいるんですが、
  第1楽章前半の流れるような疾風怒濤な流麗さが大好きなんです。
  この雰囲気が見事に演奏されていて、もうこの辺でメロメロになりました。
  
  確かにロンドンそのものを音化した風でもないけれど、
  ロンドンのあの街角、この川面の佇みなど、想い起こされる音楽です。
  私は2度、ロンドンに行ってるんですが、一般にイメージされているよりは
  霧も少なく美しい街です。
  そりゃスイスやオーストリアの古風な街に比べると殺伐としてますし、
  建物は独特な安っぽい赤レンガが多いですが、それでも東京に比べると
  遥かに美しい街です。
  
  それだけじゃなく、世界有数の大都市でもある活気と華やかさ、そして
  その影をも上手く表現している音楽です。
  この日は多くの観客にも恵まれたコンサート、多くの人が英国音楽の素晴
  らしさを感じ取ったに違いない有意義な一日でした。
  私がお薦めする「ロンドン・シンフォニィ」のCD感想はこちらです。⇒(隊長作)
  
  
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