- 2011年1月8日(土)18:00 NHKホール
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NHK交響楽団 / ペトレンコ指揮
ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第1番
チャイコフスキー : マンフレッド交響曲
2011年最初のコンサートは、やっぱりN響だった。
正月の民間オケはニューイヤー・コンサート目白押しで、
ワルツとかポルカなんか聴きたくもない。
我が隊は例年、第九とワルツ&ポルカは除外してまして、
やる気あるアマオケも1月上旬から重いプログラムはなかなか持って来れない。
年末年始、練習漬けになっちゃうもんね。
そんな事情から結局、N響が聴き始めになっちまう。
今年はプログラムも気に入ったので、いそいそと出掛けた。
ベトベンじゃありませんよ、マンフレッドだからですよ。
最近プチ・ロシア音楽好きでして、チャイコのマンフレッドや
ラフマニノフの交響的舞曲をよく聴く。
特に交響的舞曲は圧巻な隠れ名曲で、ラフマニノフ・Pコン第2番が
気に入ったからと言ってコレを聴くと痛い目にあう。
さてさて、いつもなら感想さへ書かないPコン(ベトベン)ですが、
今回は伴奏も頑張った協奏曲で、新年からいい気分。
数年間東京ご無沙汰してたうちに、東京のプロオケ界は変わっちまったのか?
読響は行きたいプログラムが全く無く、都響や東響も平日公演ばかり。
景気が悪くなるとプログラムは保守化するもんだけど、
最近、頑張っているのはN響だけ。
逆にアマオケの選曲がぶっ飛び好調で、わざわざ値段の高いプロオケに
行く必要が減ってきた。
クラシック人口を増やすのも大事なんだろうけど、
ミドル&アッパー・ファンを蔑ろにすると致命傷負うんじゃないだろうか。
ちなみにあんなに行っていた読響(弊誌メルマガ登場回数22回)、
2010年3月以来聴きに行っていない。
メイン、マンフレッド。
世にチャイコフスキー・ファンは多けれど、マンフレッドは「何故か!?」
知られていない。
チャイコ交響曲全集に入っていない事も多いし、
多くの後期三大交響曲(第4・5・6番)などと括ってるのも悪弊のひとつ。
しかしマンフレッド自体にも大きな自己責任がある。
それは最後の最後でしか使わないのに、必須楽器となっている「パイプ・オルガン」。
ラストのあの神々しさはパイプ・オルガン登場ならではなんだけど、
パイプを使うと経費が一気に跳ね上がる。
第5番や悲愴でもパイプを使うのなら仕方ないし、
マンフレッド全編でパイプが大活躍するんならこれまた仕方ない。
しかし最後の最後でしか使わないのに、
パイプ使用料は一緒なんだろうから、躊躇されるのも頷ける。
そうは言っても、このマンフレッドは余りに不当評価のままだ。
チャイコが敢えて番号入りさせなかっただけある複雑性は、
シベリウスのクレルヴォ交響曲やショスタコの封印ナンバー(第4番)みたいで、
かえって興味をそそる。
プレゼンの持って行き様では十分人気曲に化ける大作だし、
どうせパイプを使うんだったらR・シュトラウスのツァラとか
サン=サーンスのオルガン付とかとカップリングした演奏会を開けばいい。
マンフレッドが1時間前後だからダブル大曲は疲れるって?
肩慣らしにベトベンのPコン1番とかモーツァルトで時間稼ぎして
プログラムを2時間近くに持ってゆこうというプログラミングはもうやめろ。
パイプ使用料がネックだからあまり採り上げられないマンフレッドなら、
こういう時こそパイプがネックで採り上げにくかった楽曲と組み合わせるべき。
2時間前後で疲れるなんて、世界一のオーケストラを目指す日本人が言うべきじゃない。
演奏は良かった。
第1楽章からテンション高く、こういう「最初から気合入ったとき」は、
結局最後まで大当たりになる事が多い。
逆に終楽章だけ猛然と頑張る演奏もあるが、そういうのは
「前半は手抜きだったんですけど」といつまでも根に持って聴いてしまう。
終わりよければ全て良し、なんていうけど、大交響曲においては全体を
通した感興が重要になってくる。
そもそも、N響のチャイコは当たりが多い。
楽団員にチャイコ好きが多いはずだ。
ペトレンコの指揮は、「速いシーンは速く、ネットリ歌わせる箇所は
ビブラートたっぷりで歌わす」わかりやすい演奏。
しかしこの、コテコテな演奏スタイルは意外と難しく、
ネットリ歌わすことは多くの人ができるが、速いところをより
速く演奏「させる」のは並大抵な腕じゃできない。
それだけ団員をノリノリにさせておかなきゃいけないから、
私は「速いところをより速く」演奏できるか否かをいつも聴いている。
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あとがき「フレンチおせち」
あのー、今頃なんですけど、今年のおせちは3万円も奮発した
フレンチおせちが大正解だったので、ここに記しておきます。
和風を味わんがために日本おせちにするより、
実際ゲキうまな酒肴の方がよっぽど嬉しい。
2012年正月もおせちをやるかは不明だが、
何事もなければまた頼みたいなぁ。
フレンチ「ブランドミュゲ」荻窪駅すずらん通りを南へ5分
おせちスペックは下記のとおり。
大サイズ「二段重」3万円(税別)26cmx26xmx6cm、15品目・6人前程。
『オマール海老(大サイズ)、野菜のキッシュ、帆立のマリネ、
砂肝のコンフィ、フォアグラのテリーヌ、田舎風テリーヌ、
スズキのテリーヌ、鶏肉ときのこのクネル、子羊もも肉のロースト、
スモークサーモン、きのこのマリネ、的鯛のポワレ、キャビア添え、
七面鳥のフランス産マロンの詰め物、フランス産鴨フィレ肉のロースト、
自家製ピクルス』
もう、これでもかっ!というくらい詰め込んであって、
三が日で食べ切るのに大変だった。
日本人にもやさしめな味付けで、テリーヌはどの種類も実に旨い。
砂肝もクセがなく、キモが苦手な私もムシャムシャ食べれた。
大晦日はオールナイト営業だったので、ベトベンSQ演奏会後も
余裕で受け取り可能だった。
少し興味を持った人は、「オードブル盛り合わせ」のテイクアウトで
チェックされてはどうだろう。
過去のコンサート感想。
「マンフレッド」 な感想。
- 2005年9月18日(日)14:00 東京芸術劇場
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ロジェストヴェンスキー指揮 / 読売日響
チャイコフスキー : マンフレッド交響曲
リムスキー=コルサコフ : ピアノ協奏曲 嬰ハ短調
ムソルグスキー : 交響詩「禿山の一夜」