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コンサート感想


2011年1月16日(日)13:30  習志野文化ホール
千葉フィルハーモニー管弦楽団 / 金子建志 指揮
 ロッシーニ : 歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
 プロコフィエフ : スキタイ組曲
 ブルックナー : 交響曲第7番(ノヴァーク版)

(隊長作)

この日(1/16)、行きたいコンサートが3つ重なった。
想いで深い一日だった。



結局「アラとロリー」は捨て難く、
千葉フィル&金子ちゃんという組み合わせは鉄板だった。
対抗馬となったのは、下記の2公演。

○グローバル・フィル(すみだトリフォニー)プロコフィエフ第5番。
○高田馬場管(新宿文化センター)ショスタコ第12番。

みなさんなら、どこに行きます?
正直、迷った。

スキタイ&プロコ第2番なんかが出てきたら迷わず行くのだが。
最近はプロコ第5番も贅沢な話で、少々食あたり気味。
スコアもパート譜も特殊楽器も準備しやすくなったのだろう。

だからと言って、プロコの第2〜4番や第6番が登場したアマオケは
ほとんど見ず、今度「炎の天使プロジェクト(仮称)」が
プロコ第3番を決行しようとしているくらいだ。

たしかにプロコ第5番は彼の代表作と呼ぶべき傑作だが、
それが他のナンバーより勝っている根拠にはならない。

鋼鉄の交響曲といえる第2番。
炎の天使が妖しく叫ぶ第3番。
スネア・ドラムがナイアガラの瀧のように鳴り響く第4番。
リラックスしたプロコの真の傑作と言いたい第6番。

彼の交響曲は、第7番以外は本当に素晴らしいものばかり。
ただし第2〜4番は演奏至難で、日フィル&ラザレフで聴いても
「難しんやろなぁ」と同情した。

あの難しさがあってこそプロコは光るんだから、
彼がマーラーほど採り上げられないのは判るが、
マーラー、ショスタコ、プロコと並べるとプロコが
圧倒的に天才だと私は言いたい。

(隊長作)

よって、グローバル・フィルにはいつかプロコ第6番を採り上げて欲しい。
ババ管はタコ12でなく、やっぱタコは11番でしょう。もしくは第4番。
12番は四十分と小振りだし、11番と比べるとあまりに小物だ。
その割りに苦労は多いだろうし、どうせやるなら第11番をやって欲しいんだが。

ちなみに第11番は東京楽友協会響が採り上げる。
9月11日、すみだトリフォニーだ。

前日にプロコ第3番(所沢ミューズ)、翌日はタコ11と、
9月のコンサートは実に楽しみ。

あとはアッテルベリ第5番、RVWロンドン交響曲、
エルガー第3番、ニールセン第5番、ショスタコ第4番あたりを
連続で聴けれたら、我がコンサート・ライフ万々歳なんだがなぁ。



さてさて、久しぶりに津田沼へ行ってきた。
習志野文化ホールは駅南口の複合施設の一角を占めるのだが、
むかしは某スーパーがメインのガラガラ憩いの広場だったのが、
今は買い物客の人ヒトひと!

場所は良かったんだし、駐車場も完備してる。
ブックオフも入居して、どうして昔からこうしなかったのか。
流通業は難しい。

演奏はスキタイの良さが特筆だった。
この楽団は今回で3回目だが、爆音や攻撃的なシーンほど萌えるようだ。
メインのブルックナーよりプロコのスキタイの方が、
楽団の得意面が活かされていた。

習志野ホール

強いて言えば、ネックはホールかな。
雛壇型ワンフロア・ホールで、横に広がった古い市民会館タイプ。

音は響き過ぎないが、千葉フィル得意の大爆音が効果的に直撃せず、
すみだトリフォニーや東京芸劇なんかで聴けば、同じ演奏とは
思えないほどの演奏に聴こえるだろう。

私は千葉県のホールは語るほど行ってないから知らないだけかもしれないが、
千葉駅・津田沼駅・船橋駅といった人が集まり易い駅前に、これは良い!
といったホールを思いつかない。

津田沼界隈は小中学校からオケ活動が活発なようで、
千葉の地力は関東でも高水準。

そのレベルから考えると、千葉が誇る圧倒的ホールがあったっておかしくない。
日本経済の先行きは厳しく、今さらゴージャス・ホール新造は望み難い。

ただ、こんなにオケが盛んで高レベルの県に、
ホールが高レベルで無いのは皮肉なことだなぁと思う。

千葉県文化興隆のために県内で演奏する意義は大きいが、
たまには東京都の音響優秀ホールに殴り込んでみて欲しい。

プログラムの楽曲解説が、今回も気合い入っていた。
著作もある金子氏のブル7解説は、6ページに及ぶ。
楽譜抜粋や自筆譜も載せて説明している充実ぶり。
これほどのプログラムは、プロオケでもそうは無い。

プログラムを集める趣味は私には無いが、
収集をしている人は、ココは期待を裏切らないよ。

(隊長作)

過去のコンサート感想。

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