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コンサート感想


2011年7月15日(金)19:00 東京文化会館
東京ニューシティ管弦楽団 / フェラネッツ指揮
 グリンカ : 序曲「ルスランとリュドミラ」
 チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第11番

(隊長作)

今回は上野の文化会館。
ショスタコの中で、2番目に好きなのが「第11番」。
ちなみに1番好きな曲は、「第4番」。



金曜演奏会という事もあり、無理無理予定を組み込んで、何とか行けました。
プロオケではありますが、ニューシティ管を聴くのは2回目でして、
どこまで逝ってしまえるかが、ショスタコの鍵。

指揮者フェラネッツは聴いたことなく、不安半分、期待半分。
それは兎も角、タコ11を聴けるなら、誰だって構やしない。

上野の文化会館はよく行くが、上野公園はほとんど歩いたことない。
そこで開演前、文化会館の周りを大きく一周してみました。
会館の南東、見晴らしのいい断崖に「西郷隆盛像」があります。



上京したての頃、一度行ったのですが、今度のように写真まで
撮ってじっくり見なかった。西郷像の周りでシゲシゲと見るなんて、
いかにも田舎者臭く、恥ずかしくてチラ見しかできなかった。

そう言えば、初めて東京見物したのが、この上野。
国立博物館と国立美術館に行ったんだよ、見ごたえ十分だった。

上野の文化会館はいつもはギリギリに着くが、今回は余裕を持った到着。

アメ横まで行こうかと思ったが、文化会館前にあるカフェテラス
「上野グリーンサロン」が、前から気になっていたので、
とうとう入ってみた。



高め料金かと勝手に思っていたのだが、庶民的な値段設定。
セルフサービスで、カレー&生ビールのセット(950円)を注文。
そこそこ旨かった。開演前、空腹なとき又利用するだろう。

  
(隊長作)

東京ニューシティ管弦楽団はプロオケとはいえ、正直、弱小新興オケ。
技術面が不安な反面、いい演奏をしないと話題にならない。
定期会員に胡坐をかいて、中道で平凡な演奏をすることはなかろうと、
それなりに期待をした。

内藤彰のブルックナー(異稿初演)が有名だが、どんなもんだろう。
大好きな5階は閉鎖で、3階に座った。

リラックスシートという或る一定範囲内で自由に席移動できるゾーン。
これはグッドアイディアでして、たまたま隣席がDQNでも、席移動で逃げられる。
予想したとおり、リラックス・ゾーンはガラガラで、席は選び放題だった。

ルスランとチャイコのコメントは、パス。
ピアニスト小山実稚恵が予想以上に音量がデカかったのが、好感だった。

ショスタコ11はなんだかんだで、多くの実演を聴いているが、
今もマイ名演奏と言えるのはアマならダスビ(2008年2月、長田雅人指揮)、
プロでは名フィル(2007年6月クライツベルク指揮)。

今回も彼らを超えることは無かった・・・。
超えるどころか、クライツベルク(故人)が90点とすれば、
フェラネッツは80点といったところ。

このクライツベルクとは、セミヨン・ビシュコフの弟で、
2011年51歳の若さで死去してしまった。

名フィルとの演奏が素晴らしかったので今後を期待していたが、
癌を長年患っていたそうで、今にして思えば
「だからこそ、あの若さで、あれほどの演奏が出来たのか」。
あらためて、ご冥福を祈りたい。

いっぽう、指揮者フェラネッツ。
強弱の変わり目が甘い。テンポの揺らしも弱い。
銅鑼はデカいが、シンバルや大太鼓が小さい。

更にフェラネッツに不運だったのは、21時頃ちょっとした地震が来たこと。

2011年は地震が頻繁にあったが、いつどの地震が大地震に
繋がるか判らない恐れがあり、結局、軽い地震で終わったとしても、
揺れ出した時のドキドキ感は音楽への集中力なんて吹き飛ばしてしまう。

フェラネッツのせいではないが、演奏中に地震が来るとは、
彼は運もついてなかった。

ブルックナーの新版を採り上げたり、今回のように
ショスタコ11番をやってくれたり、その意欲には敬意を払いたいが、
「感動」までには至らなかった。

一年後だが、2013年3月20日(祝)、内藤彰指揮で
マーラー第6番をやるので、それは行ってみたいなと思う。


過去のコンサート感想。

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