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コンサート感想


2012年2月19日(日)14:00 一橋大学兼松講堂
くにたち室内管弦楽団 / 角田鋼亮指揮
 メンデルスゾーン : 交響曲第3番「スコットランド」
 プロコフィエフ : 交響的物語「ピーターと狼」
 ディーリアス : 小オーケストラのための2つの小品
  「春初めてカッコウを聞いて」
  「河の上の夏の夜」

(隊長作)

私にとって、大学「三大講堂」と云うのがある。
一に東大安田講堂、二にワセダ大隈講堂、そして三に一橋兼松講堂だ。

この三つに共通するのは、いずれも音楽会が開かれていること。
あくまで講堂なんだろうが、ゆったり大きな造りで、文化・芸術的にも
美しいフォルムだ。

今回その夢がかなって、一橋兼松の演奏会に行けた。
しかも入場無料!早大大隈は2回行ってるので、あとは東大安田のみ。

東京の人なら周知の事実だが、一橋大学と言えば東京都国立市にある。



発祥の地が、神田一ツ橋(千代田区一ツ橋)だが、今は、一橋講堂を含んだ
学術総合センター(千代田キャンパス)が、あるに過ぎない。

JR中央線を西に走り、立川の一駅前に国立駅はある。
国分寺市と立川市の間にあるから、間を取って国立(くにたち)市と、
なっただなんて、今から考えると馬鹿みたいなネーミングだが、
東京西部では、圧倒的な高等文京地区だ。

(隊長作)

私自身、国立駅はよく降りており、餃子の王将とブックオフがあるので
セットで行く事が多い。他にも喫茶シュベール、神戸屋キッチン、
ロジーナ茶房、マナカマナ(インドカレー)・・・。

最近インド料理が喰いたくなったら、マナカマナに行ってます。
お薦めは、ドライカレー(正式名称は忘れた)が超大盛で、
千円ほどで、たらふく食べられます。

関東・東海・関西のほとんどのブックオフに行っている私ですが、
国立店はなかなか良い。店舗間で商品の入替えは、してるんでしょうが、
学生の多い街や、読書好きの多い街のブックオフの本棚は潤ってます。

今日行った某店なんか、藤沢周平の関連書籍がボロボロあって、
きっと周平ファンが亡くなって、御遺族が大量処分したんだろな
と、思ったくらいです。妙に、ヒトラー書籍が多い店だとか、
今どき、山本周五郎の新潮文庫が揃いでズラリとか、
どっかの爺さんのコレクションが、流出したのかと偲んでしまいます。

国立(くにたち)は大学を始め、高校や私立学校が多く、
学生がウヨウヨいます。ただし、良家の子息子女が多いのか、
バカげた雰囲気がない。居酒屋より喫茶店やレストランが
多いのも、安定した街並みになっています。



放射状に伸びた街割りで、南沿いに6分も歩けば、一橋大学です。
キャンパスには、贅沢で豪壮な石造りの校舎が点在してます。
その中で、一際目を見張る建物が兼松講堂です。



日曜日のキャンパス内には、近隣住民の憩いの場所になっているようで、
ベンチで、ぼんやり佇んでいる人や、写生している人もいたり、
のどかな休日の午後です。



学生食堂でも、いただこうと思ってたのですが、日曜日は休み。

食堂前にカップヌードルの自販機があったので、購入&給湯。
ところが、割り箸が切れている!ボールペンを箸がわりに
食べる羽目となり、全く不愉快です。

(隊長作)

気を取り直して、楽しみにしていた兼松講堂に入場。
外観も素晴らしいですが、内部装飾も洗練されたインテリアで、
基本、大隈講堂みたいなもんです。厳密にはいろいろ違うんでしょうが、
素人目には早稲田も一橋も一緒でした。

問題は音響ですが、高音がキツく響き、打楽器の音響も大きく反響します。
私的にはボンヤリ丸く響くよりは、こういった鋭くつんざく方が好きなんですが、
最近のコンサート専用ホールの音響に慣れてしまった人には向かないでしょう。

駅からも近いし、講堂は歴史的でオシャレなんだから、もっと演奏会が
開かれて欲しいのですが、そんなに頻繁には開演されないんでしょうなぁ。

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さて、感想です。
今回最大の狙いはホール「兼松講堂」ですが、演目も嬉しい曲が入ってます。
夏休みの親子コンサートなどでは採り上げられる「ピーター&ウルフ」ですが、
親子コンサートは子供が五月蝿すぎる。我が子の喚き声は我慢できるんでしょうが、
他人の児は五月蝿いだけです。そんな訳で、ピーターの実演は聴いた事がなかっただけに、
嬉しい演奏会でした。

こうやって生演奏に接しますと、児童向け音楽劇「ピーター&ウルフ」ですが、
どうしてどうして、プロコフィエフ臭がムンムンする音楽です。

「イヴァン雷帝」や「アレクサンドル・ネフスキー」を書いた作曲家の作品にしては、
底辺に下りすぎてますが、判り易さの中にもプロコの捻りが随所に盛り込まれています。
ナレィションも自然で、変に子供向けにせず、音楽に沿った良いナレィションだった。

もう一つ、ディーリアスをアマオケが採り上げるのも珍しい。
私は英国音楽が大好きで、エルガー、RVW、パリー、バタワース、ブリス、
オルウィン、オーリック、フィンジ、ウォルトンなど大好きです。

ところがディーリアスとブリテンは、何度聴いても良さが判らない。
今回演奏された「春初めてカッコウを聞いて」「河の上の夏の夜」は
ディーリアスの代表曲。

そりゃもう何十回も聴いているんですが、何がどうしてかピンと来ない。
英国音楽独特のぼんやりした雰囲気満点で、同様なRVWやパリーなんかだと
堪らない悶絶感があるのですが、ディーリアスには感じない。何ででしょう?

(隊長作)

もう一点、この演奏会で注目したのが指揮者。
名古屋のアマオケを総ナメしていた角田ちゃんが振っていたのです。
どういった手蔓で東京進出してきたのか、ときどき東京のチラシで
見かけるように、なっています。

この人の演奏は素晴らしく、演奏者の良さを引き出す点が優れています。
今回も若い人の情熱をハイテンポで活かして、「スコットランド」を
ノリノリの演奏に仕上げました。



(隊長作)

過去のコンサート感想。

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