MMF

コンサート感想


2012年5月19日(土)18:45 群馬音楽センター
群馬交響楽団 / 沼尻竜典 指揮
 三善晃 : 祝典序曲
 バルトーク :  ヴィオラ協奏曲
 ショスタコーヴィチ : 交響曲第4番

(隊長作)



2004年以来の群馬です。

音楽以外では、群馬・栃木・埼玉・千葉と古本屋めぐりをしたことがあるし、
群馬の地酒(ワンカップ20本くらい)買出しに行ったりして、久々感が無いんですが、
群響&群馬音楽センターは、久しぶりだったので楽しい旅でした♪

群馬・群馬と書いておりますが、厳密には高崎。



高崎といえば高崎経済大学。
若いころ、高崎経済大学と言えばC日程で、全国の受験生が
一度は受験を検討したのではないでしょうか?

友人が本当に受験しまして、結局高崎に進学してしまったので
特に覚えています。関東以外に住んでいる人が、受験でもしない限り
群馬県高崎市で青春を過ごすなんて、人生は思わぬところでドラマチックです。

私は京都生まれですが、その後転居すること十数回、
一都一府四県と移り住んでいます。
もしかしたら、もうそろそろ引っ越すかもしれません。
また関西東海のアマオケを聴きたいなあ。

そんな青春の驚きを思い出しながら、高崎に到着。



高崎駅に巨大なお土産売り場「群馬いろは」がありまして、
この一角に、日本酒売り場があります。

この酒屋の良いところは、ワンカップや小瓶をズラっと揃えているところ。
何もセコくて、一升瓶を買わないんじゃないんです。
いろんな味を楽しみたいんです。



むかし奈良の山奥の自販機でワンカップを買ったのですが、
どうにも変な味がして、ワンカップにしといて被害を
最小限に食い止めた経験があります。

いろんなモノを少しづつ、リスク分散。
(隊長作)

高崎駅からブラブラ歩く。
ポツポツとお店が点在してますが、華やかな楽しい商店街というほどではない。

山梨の甲府駅前に似てるかな。
駅から離れた国道沿いにデカいショッピングセンターがありますが、
駅周辺は、典型的な黄昏の地方都市。

そんな中から面白いものを見つけるのが、小旅行の醍醐味です。

歩くこと十数分、ありました、いいお店。
「栄寿亭」という大衆食堂だったんんですが、
いま食べログで「高崎駅・昼のランキング」でチェックすると
なんと第2位。口コミ113件なのに星3.58という高水準。



死ぬほど美味しいというわけではないのですが、「また必ず行きたい!」と
思わせます。



カツ丼とケチャップ・オムライスを食べたんですが、まさに理想的な
「テレビに出てくるような洋食屋さんのオムライス」でした。

店の佇まいといい、店内のカウンターといい、実に楽しめました。
近所の人のテイクアウト注文がバンバン入っていて、大繁盛でした。




さて、感想です。
渡辺和彦氏による曲目解説と指揮者とのプレトークで始まりました。
サービス精神旺盛です。
「タコ四の素晴らしさは解ってるから、はよ演奏せい」と思いつつ、
タコ四の素晴らしさをあらためて語ってくれると我が事のように嬉しい。

前プロ、三善晃「祝典序曲」は吹奏楽では有名曲だそうで、
音楽の盛んな群馬県では集客に繋がるようです。
短い演奏時間、それなのに大編成。

わざわざ本曲だけのために大編成を組む筈もなく、
タコ四という稀有な大編成だったからこそ、
「あ!あれやろう!」となったんでしょう(推測)。
ショスタコの祝典序曲みたいな雰囲気では・・・無かった。
(隊長作)

中プロ、バルトークのヴィオラ協奏曲。
ティボール・シェルイ補完版1949という改訂版演奏。
プレトークによると、改訂版ビジネスというのがあるそうだ。
著作権が切れる前に改訂版を出し、著作権期間を延長する。

改訂版の著作権はスタートしても、原点版は切れるんだったら解るんだけど。
著作権は創造者の遺族を守る重要な権利ですが、著作権があるばっかしに
演奏されにくいという反面もある。

そもそも著作権使用料ってどれくらいなんだろう?
ネット検索してみたら、JASRACに「使用料計算シミュレーション」と
いうページがあった。

どういうシチュエーションで演奏するのか、開催日時、税抜入場料、
会場の定員数、利用するJASRAC管理曲数、公演時間。
こういった項目を入力すると使用料が出て来ます。
20世紀音楽を演奏したいけど、使用料を請求されたら恐い!!と思っている
人は、ちょっと計算してみたらどうでしょう。

このバルトーク、マーラーやショスタコの演奏会にちょくちょくカプリング
されるんですよね。同じ20世紀音楽という括りで選曲されるんでしょうか。
私はショスタコ、マーラー、プロコにリヒャルトと19世紀末から20世紀に
かける音楽はほとんど好きですが、バルトークだけは好きになれません。
リストもコダーイも興味低いので、ハンガリー音楽が合わないだけかも。



そして、いよいよメインのショスタコーヴィチ交響曲第4番。
最近のお気に入りの演奏は、サロネン指揮フィンランド放送響(スウェーデン
放送のウェブ視聴、2014年9月中旬まで期間限定オンデマンド配信、無料)が
いい演奏なんですが、CD化を期待してます。

(隊長作)
8月22日upなので、おそらく2014年9月22日あたりまでは聴けるハズです。↓
http://sverigesradio.se/sida/gruppsida.aspx?programid=4427&grupp=18793&artikel=5944099


このタコ四は本当に神掛かった音楽で、ショスタコの音楽世界が
変幻自在に動き回ります。

慣れない人には難しいのかもしれませんが、タコ四を二十年以上
聴き続けてきて、聴けば聴くほどその面白さに感心します。
指揮者によっても、演奏はかなり変わりますし、今もって、
究極的マイベスト演奏は見つからないのも、この音楽ならではです。

いつも書いてますように、私は速目のテンポ設定が好きでして、
この音楽も速い方が格好いいと思います。しかし、難しい箇所も多いだけに、
じっくりしたテンポを基調とした演奏が、ほとんど。

速い演奏というより、感情がノリノリになって指揮者がかろうじて
制御しているお陰で速いテンポで収まっている、という演奏に憧れます。


ベースに近い座席に座ったこともあって、コントラバスがゴリゴリ唸る演奏
として楽しめた。

CDではバランスを弄っているので順当な演奏になりがちですが、
ライヴは、どこに座るかで自分好みの演奏に捻じ曲げることも可能。

主旋律も聴こえつつ、低弦や対旋律がしっかり聴こえる演奏が理想です。
群響のコントラバスは崩れやすい難所もゴリゴリ&キッチリ弾き通してくれて、
ベース・アップ作戦は大成功。

終楽章、ティンパニとベースが二百小節4分以上ハ音を「ドード、ドード」
と刻み続けるんですが、ここも明確に聴こえ続けとても良かった。

群響はロシア人団員が多いそうで、ここはロシア民謡だよ、
と教えてくれて、微妙なニュアンスが共有できるそうです。

終演後は質疑応答や出演者トークが予定されていたのでタコ四の裏話が
もっと聞けたかもしれないのに、自宅までの終電時間が迫っていたので
泣く泣く帰りました。

2004年に聴いた群馬音楽センターは「モノラル演奏か?」と思うほどの
音響だったけど、今回はそれほど感じなかった。

座る位置が少しでも変われば、音響や聴こえ方もどんどん変わる
不思議ホールなのかもしれない。

群響は一生懸命な演奏がひしひしと伝わってくるので、
これからもプログラムが気に入れば、聴きに行きたい。




(隊長作)

過去のコンサート感想。

inserted by FC2 system