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コンサート感想


2008年7月17日(木)19:00  ザ・シンフォニーホール
大阪シンフォニカー交響楽団 / 大友直人 指揮
 RVW : グリーンスリーヴス幻想曲
 ショスタコーヴィチ : チェロ協奏曲第1番
 RVW : 交響曲第2番「ロンドン交響曲」

ひさびさ、大阪コンサートです。
大阪のプログラムはわたし的には合わないのばかりですけど、
ここ、大阪シンフォニカーは先鋭的。



大友大名は英国音楽マニアだからRVW(ヴォーン=ウィリアムズ)を
チョイスしたのは当然なのかも知れないけれど、その中でも
ロンドン・シンフォニィを選択してくれた事は涙チョチョ切れ。
(隊長作)

最近少しづつ実演されるようになってきたRVW交響曲ですが、
第2番や第5番はグッド・ナンバーですし、
第4番や第3番だってイケイケ・ゴーゴー。

第7番のパイプオルガンの壮大さは実演ならではだし、
第8番の流麗さは是非多くの人に体感して欲しい。
ま、そんなわけで、大いに盛り上がってるコンサート突撃です。



大阪はキタの梅田から西へ一駅、福島駅を北へ五分ちょい歩けば
ザ・シンフォニーです。

キタに比べたら飲食店は少ないですが、そこは大阪。
どんな駅でも街でもお店はそこそこあり、しかも旨い。

(隊長作)

前回は、洋食レストラン「イレブン」だったので、
今回は、手打ちそば処「やまがそば」福島店に入りました。
福島駅からなにわ筋を上る、道路西側にあります。



普通ココで蕎麦を頼むところなんですが、
「にしん定食」なる物を発見、迷わず注文。

わたし、にしんが大好物です。この「にしん定食」は大当たりで、
にしん蕎麦に載ってる様なにしんの小鉢に、めし、味噌汁、蕎麦小鉢、
そして、これが真の主役「だしまき卵」。

辛め煮付けのにしんと、ふわふわのホワホワに焼き上げた
だしまきを交互に口の中に入れ、ご飯を少し、味噌汁をズズっと。

これぞ和食の極致、こういう旨さって忘れてた。
こんなとこで、こういった旨さに出くわすとは予想外。

大阪はてっちりやたこ焼きお好み焼きだけやあらへんで。
この一年、大阪で食べた和食で最も旨い一品。

(隊長作)

話は戻って、大阪シンフォニカー。
大阪と云えば大阪フィル(大フィル)ばかり喧伝されますが、
今関西の急先鋒と言えば、このシンフォニカーでしょう。
その特徴はプログラムにも顕われていまして、
特筆したい内容はご覧の通り。

  09年2/13、フックス第3番(寺岡清高指揮)
  09年3/18、アッテルベリ第6番(児玉宏指揮)
  09年9/16、エルガー第2番(大友直人指揮)
  09年10/16、ブルックナー第6番(児玉宏指揮)
  10年3/17、グラズノフ第5番(児玉宏指揮)

この中でもアッテルベリ第6番は、09年3月20日(金祝)、
東京錦糸町すみだトリフォニーでも東京公演として演奏されますから、
要注目です。

(隊長作)

アッテルベリは、後程申し上げます新結成アマオケでも採り上げられるなど、
プロアマ双方から注目され出した感があります。

この児玉宏という司会者みたいな名前の指揮者を、まだ聴いた事が
ないので残念ですが、選曲のほとんどが進取の気風に満ちたもの。
きっと前向きな面白い人だと、想像します。

さて、今回は大友直人。
この人は選曲は素晴らしいこと極まりないんですが、如何せん演奏解釈が凡庸。
プログラムはええのに、指揮者さへ違えばなぁと思う事ばかりでした。
ちょっとボロカスですが、なんでこんなに落したかと言うと、
今回は全く違ったからです。

とにかく、あの日の演奏会を思い出したら今でも興奮してしまうほどの出来。
今年は2月にダスビダーニャのタコ11に狂喜乱舞しましたが、まさか
RVWで興奮陶酔錯乱してしまう演奏に出会えるとは、思っていなかった。



今回は大阪が誇るザ・シンフォニーホール。

座席はステージ・サイドの>かぶりつき、といった至近席。
大友の奇を衒わないスタイル、真面目に真正面から淡々と登るスタイル。

しかし彼の英国音楽に懸ける秘めた想いに、シンフォニカーが
全力で応じた。東響が凡演ばかりだったのは、指揮者と楽団の仲が
マンネリ化していたからでしょうか。

今回の指揮者とシンフォニカーの取り組みは理想的な相思相愛。

失礼ながら、両者の本来持ち合わせている以上の力が
どこからか沸いて来たかのような演奏。
まったく、ミューズの神が降りてきたような演奏だった。

演奏会の良し悪しとはどこで決まるか、いつも不思議に思うのだが、
好きな曲にはそれぞれポイントがある。そのポイントを一つずつ
クリア出来たからと云って、感動的演奏会になるものでもない。

しかし音楽が進行するにつれ、これはとんでもない演奏に
立ち合えているぞ、といった感興に入っていく。

それは指揮者にも演奏者にも、そして多くの聴衆にも伝わってゆき、
感動的演奏に立ち会えている喜びがグングン膨らんでいく。

今回の演奏がCD化される可能性は低いだろうが、
こういった演奏を音盤化するべきなのになぁ。
出たら三千円出しても、買いだと思う。
決定的に大当たりだった名演奏会。

両者の組合せは来年9月16日(平日!)にもあるから、
はてさてどうしたら聴きに行けるだろうと、今から頭を悩ましております。


(隊長作) 文中で「後程申し上げます」と書いた新結成アマオケの件。(ブログ。)

過去のコンサート感想。

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