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コンサート感想


2010年4月10日(土)18:00  NHKホール
NHK交響楽団 / ブロムシュテット 指揮
 マーラー : 交響曲第9番

(隊長作)
マーラー生誕150年だそうだ。
そう考えてみると、今年になって、マーラー演奏会が更に増えたことに納得。

今までは第1番「巨人」、よくて第5番だったが、今年の特徴は第9番や第7番も
採り上げられている。

合唱付きは易々とは出来ないけど、合唱さへ無ければ他は打楽器(カウベルとか大槌)。
それらをクリアしてでも演奏するだけの意義があるのが、
マーラー交響曲だという風潮がやっと正常化してきたようだ。


今回はすっかりスタンダードナンバー化したマラ9だが、注目はブロムシュテット指揮。

毎月どこかで演奏されてるとも思えるようになって来たマラ9だが、
ブロムシュテット演奏だったら聴き逃したくない、と思わせるのは流石。
しかもチケット入手が容易なN響定演。

何もブロムシュテットが不人気だとは思わないが、
こういった時はN響というのは有難い。

千五百円の入場券はスムーズに買えたが、予想以上に座席は埋まっていた。
私のN響定番席=自由席(最上階)でさへ混雑しており、
ブロムシュテットのマーラー9番は期待と注目の演奏会となった。


さて、肝心の感想なのだが。
終楽章は神妙な演奏だったが、それまでの第一から第三までの演奏が
大したものでは無かった。

自分自身、マーラーの第9番でこんなに冷めた感覚を持続しつつ
聴いている事に、寂しささへ感じる。
演奏精度も酷かったが、こころに響くものがない。

若い頃、この世でもっとも素晴らしい音楽こそ、マーラーの第9番だと
真剣に思っていた。その思いはいつまでも続いていたし、続くと思っていた。
あれから月日は経ち、いま、マーラー第9番の演奏が繰り広げられている。

マーラーへの思いが冷めたのか、生ぬるい演奏なのか。
音楽というものは普遍的な芸術だけど、聴けば聴くほど耳が肥え、
感受性も鈍化してゆく。

鮮烈な表現には耳を奪われ、刺激的な音響には驚く。
しかし地味で渋い演奏にはココロは反応しないのか、
それともブロムシュテットやN響自体がナマクラなのか。

とにかく、ほとんど感動できない演奏だった。
感動できない自分がやばいのか、そんな演奏をした彼らに怒るべきなのか。

(隊長作)
 

過去のコンサート感想。

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