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コンサート感想


2011年11月5日(土)14:00  鎌倉芸術館
鎌倉交響楽団 / 三原明人 指揮
 リスト : 交響詩「前奏曲」
 モーツァルト : フルートとハープのための協奏曲
 プロコフィエフ : 交響曲第5番

(隊長作)

初突撃の鎌倉芸術館。
「鎌倉」芸術館と名付けられているので、てっきり鎌倉駅周辺にあるのかと
思いきや、大船駅東口徒歩十分。



大船って、大船市?と思ったら、鎌倉市大船なんだね。
ちょっと前まで大船市があったんじゃないか?としつこく調べてみたけど、
昔から鎌倉市とのこと。

ちなみに大船駅北半分からは横浜市栄区でして、
鎌倉と横浜の市境の街なんです。

わたくし、東京・千葉・埼玉と転々と移り住んでいますが、
神奈川県だけは縁が無い。
そんなこと言ってると、そのうち神奈川県に引っ越すかもね。

ちなみに大船駅から横須賀線で一駅下れば北鎌倉駅であり、
かの有名な建長寺が近くにある。

一方、東海道線で一駅下れば藤沢駅である。
ここは一大ターミナルであり、JR東道線を主軸に、
小田急江ノ島線が南北に貫き、江ノ電の始発駅でもある。

大船駅も思っていた以上の街並みで、東海道線・横須賀線・
根岸線・湘南モノレールと乗換ターミナルだ。
東口を降りればゴチャゴチャとした懐かし商店街が幾筋も交差し、
川越の商店街に少し似ている。



そんな商店街を抜けると芸術館が出てくるんですが、
思ってた以上にオサレなフォルム。

石材パネルの横縞ラインがちょっと軽いデザインだが、
地方の文化会館にはない「鎌倉らしい高級感」がよく出ている。
建物に入れば中庭があり、そこには鬱蒼たる竹林が生えている。



この趣向は外国人が喜びそうで、京都のコンサートホールに
ありそうで無かった。

演奏会は14時からなので、大船の旨い店を探すとしよう。
ネットでは「ミカサ」が高評価だったので行ってみたが、
1,500円からの料金設定に躊躇してしまった。

他に何かないか・・・と見回してみると、すぐお向かいに
「味匠」という蕎麦屋があり、私の好きな魚料理ランチも
あったので入店。



つなぎに布海苔を使った「へぎ蕎麦」や焼魚を食べた。
私は刺身という素材勝負より、料理人の腕が振るわれた
焼魚や煮魚の方が好きだ。

表面はこんがり、でも身肉はふんわりと、
それでいてヌマっとした生焼けは残さず、
焼魚と一口にっても難しい。

サラダや卵焼き、漬物、くらげの酢の物と云った
付け合せも美味で、なかなか美味しかった。



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さて、一曲目、レプレが始まるかと思いきや、鎌倉市歌が弦楽演奏された。
御興味ある方は鎌倉市HPの「鎌倉市歌・鎌倉市愛唱歌 」にて、
MP3で聴けますので、どうぞご自由に。

いろんな市民オケを聴いてきたが、いきなり市歌で始まったのは、初めてかも。
大学オケの校歌をやるとこは散見されるけどね。

そしていよいよ前プロ、レプレ。
この演奏水準で、ほんとにプロコが出来るんかいな?と不安になる。
しかし最近のよくあるパターンで、前プロ・中プロと悪戦苦闘しても、
メインで真打ちが登場して全く別物演奏となる事が多い。
同じ楽器でもパート内での演奏技量の差が大き過ぎるのだ。

モーツァルトのフルートとハープのための協奏曲は
高校生のころ愛聴した想い出の一曲。

第2楽章アンダンティーノは極上の美しさで、
雪がしんしんと降る景色を思い浮かべてしまう。
全楽章すばらしい旋律の連続で、この旋律を使った交響曲があれば
もっと実演機会も多かったでしょう。

単純な旋律ながら高度な音質が求められるだけに、
アマオケがプロを呼んでまで本曲を採用したことに敬意を払います。
モーツァルト演奏会に余り行っていないので気付かないだけかもしれないが、
名曲のわりに実演はかなり少ないんじゃないだろうか。




メインはプロコ・ナンバーファイヴ。
2日前にルスコアール管の演奏を聴いたばかりなのに、
立て続けのプロコとは何と言う贅沢。

東海や関西でもプロコ5番を聴く機会はあっても、週に2回も
聴けれるなんて、日本広しと云えども関東だけではなかろうか。
それだけにルスコの名演が心に残っていて、鎌倉にとっては
不利かと思ったんだが、なかなか良い演奏だった。

難しいところはそれなりのテンポに落とし、
速くても行けるとこなら突っ走る。

それがいいと思う。
プロコの難曲演奏で多いのは、全体的にテンポを
落としてしまうパターンだが、これだとプロコが最も輝く、
ワクテカ感が薄れてしまう。

プロコの難しさは他のメジャー曲とは比べもんにならないほどだから、
そこは真摯に受け止めスローテンポ。でもココゾというノリノリ・ゾーンは
多少崩れてでも、ダッシュして欲しい。

そんな理想をプロコ演奏には抱いているんですが、
今回の指揮者三原氏は、よくやってくれた。

弦を弱点としながらも、テンポを緩急自在に操り、
ベースを後列にズラリと並ばせる配置で低音を押し出し、
打楽器を特に際立たせプロコ・サウンドを実によく表現していた。

ホール音響は一味足りないながらも、無駄な響き過ぎはなく、
適度な感じがいい。客席は3階まであるが、奥行きはあまりないのが
良いのかもしれない。座席数も1,500席と丁度良いキャパだ。

鎌倉響の演奏会も、鎌倉芸術館も初めての拝聴だったが、
鎌響は、相当上手いオケだと思った。

おそらく四大交響曲作家(ベトベン、ブラームス、チャイコ、ドヴォルザーク)
なんかは卒なくこなし、更なる高みへと飛翔すべく今回のプロコ挑戦と
なったのだろう。

プロコがメインにも関わらず、フルートとハープのための協奏曲を
選んでいるセンスがそれを物語っている。

最近ではチャイ5や新世界をやりつつマーラー「復活」や第5番、
ショスタコ第5番といった作品も採り上げており、うまくバランスが取れている。

数年に1回はエルガーとかステンハンマルでも採り上げてくれたら、
もう言うこと無いんだがなぁ。


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終演後は折角、鎌倉まで来たんだからと、隊長の大好きな江ノ島へ足を運んだ。

湘南モノレールに乗ったり、江ノ島の浜辺食堂で刺身や煮魚に舌鼓。
しかし江ノ島は観光地だなぁ。大衆食堂なのに料金に驚き、ガックリきた。
(隊長作)



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